本、展覧会、映画、ダンス・演劇のパフォーマンスなど。文学、美術などの芸術、ヨーロッパ、英語に加え、フランス語や中国語、およびその文化にも興味がある。
by cathy_kate


『女の子のための現代アート入門 MOTコレクションを中心に』 長谷川祐子著

女の子のための現代アート入門―MOTコレクションを中心に

長谷川 祐子/淡交社

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タイトルはふざけていますが、中身はいたってまともな現代アート入門書。

2010年当時、東京都現代美術館チーフキュレーターの著者が、6つの視点から現代アートを紹介する。

著者の解釈に全て納得するわけではないが、納得しなくてもいいので自分でアートに触れるきっかけにしてほしいという立場の本だと思う。

現代アートをもっと見てみたくなります。


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# by cathy_kate | 2018-10-21 22:35 | 第一幕 本 | Comments(0)

『「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで』 平山令明著

「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで (ブルーバックス)

平山 令明/講談社

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匂いを科学的に説明する本。
分子とか化学反応とか、難しい話は分からないので、そういうところは飛ばし読み。

でも、人からふと香ってくるくる匂いが何なのか、気になるときがあります。
香水やたばこや油や香辛料の匂いはたいてい明らかですが、シャンプーや柔軟剤、果ては各家庭の匂いとか、何かあるんですよね、そう

いうものが。
「家の匂い」が強い人がいるけど、どうしてそうなるのだろう?

「香り」を表現する言葉の紹介や、最近やっと科学的に解明が始まったという匂いの効能の話が面白い。
グレープフルーツの香りが食欲の低下につながり、肥満予防になる、という話は数年前にニュースになっていた気がする。
認知症の予防や改善につながる香りの研究も行われているらしい。

この本の著者は科学者ですが、世の中には「調香師」という仕事もある。かっこいい響きの職業だ。



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# by cathy_kate | 2018-10-20 11:23 | 第一幕 本 | Comments(0)

『現代アートの本当の楽しみ方』

現代アートの本当の楽しみ方―表現の可能性を見つけにいこう (Next Creator Book)

しりあがり寿,日比野克彦,中島隆,森芳功,松本次郎,三ツ木紀英,遠藤水城,五野井郁夫,菊地良太,川崎昌平/フィルムアート社

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アートは規定できない、どんどん可能性を広げていくのがアートの役割、とのこと。

「感受性とは何か?」中島隆
感受性とは、一見無関係な要素をつなぎ合わせる力のこと。
でも、感受性が鋭過ぎると、生きていけない。
感受性が強過ぎると、気付いたことを使って創作ができない。
だから、その図太さを美大で身に付ける?!

「対話型鑑賞の可能性」三ツ木紀英
対話型鑑賞は、「自分が思ったことを言ってもいいんだ」と思えて、心身に良い。
対話型鑑賞で、失った感覚がよみがえる。

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# by cathy_kate | 2018-10-05 22:24 | 第一幕 本 | Comments(0)

『新・舞台芸術論 21世紀風姿花伝』 小池博史著

新・舞台芸術論―21世紀風姿花伝

小池 博史/水声社

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舞台作品を作る演出家による縦横無尽の舞台芸術論。
作り手、しかも全体を統括する作り手というのは、ここまで豊かな哲学と確固たる信念に基づいて制作しているものなのですね。

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# by cathy_kate | 2018-10-01 22:49 | 第一幕 本 | Comments(0)

『現代アートの本当の学び方』

現代アートの本当の学び方 (Next Creator Book)

会田誠,荒木慎也,大野左紀子,苅宿俊文,暮沢剛巳,谷口幹也,土屋誠一,筒井宏樹,成相肇,橋本誠,日比野克彦,福住廉,三脇康生,村田真,山木朝彦,川崎昌平/フィルムアート社

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意外と素朴な路線の論調?

美大を出るアーティストたちはアートプロジェクト系が多過ぎるのではないか?
もっとギラギラ・ガンガン作品売り込みます、高値の取引目指しますみたいな人がいてもいいのでは?
という意見も。

「美大に女子学生が多いこともあって、日本には、趣味的な、お花畑みたいな作品が多い」って、問題発言。
(当人たちは気付いていない?)



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# by cathy_kate | 2018-10-01 20:49 | 第一幕 本 | Comments(0)

共同講演会「真夏の夜の学芸員あるある物語」

「EDO TOKYO NIPPON アートフェス 2018」のイベント
会場:日本工業倶楽部

どれも非常に興味深い話だった。

登壇者(登壇順):
三菱一号館美術 杉山 菜穂子
三井記念美術館 海老澤 るりは
東京ステーションギャラリー 成相 肇
出光美術館 廣海 伸彦
ブリヂストン美術館 田所 夏子
司会:東京ステーションギャラリー 田中 晴子

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# by cathy_kate | 2018-09-30 22:51 | 第二幕 美術 | Comments(0)

東京都写真美術館の展示

「TOPコレクション たのしむ、まなぶ 夢のかけら」

「杉浦邦恵 うつくしい実験 ニューヨークとの50年」

「マジック・ランタン 光と影の映像史」

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# by cathy_kate | 2018-09-30 22:37 | 第二幕 美術 | Comments(0)

シンポジウム「高齢社会への創造的アプローチ―課題と実践」

世界ゴールド祭2018のシンポジウム。
彩の国さいたま芸術劇場 映像ホール。

The Baring Foundation (U.K.)

Silver Arts Festival (Singapore)


Company of Elders (Australia)


Luminate (Scotland)




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# by cathy_kate | 2018-09-30 21:48 | 第七幕 混合芸術 | Comments(0)

『世界中の言語を楽しく学ぶ』 井上孝夫著

世界中の言語を楽しく学ぶ (新潮新書)

井上 孝夫/新潮社

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校閲者が自身の勤める出版社から出した本。
「多言語学習」と聞けば3~5つ程度の言語を学ぶのかと思いそうだが、この著者の場合は数十もの言語を深く浅く学んできたらしい。
タイトルに「楽しく」とあるように、時に仕事に役立てながらも、ほぼ趣味での学びだ。

著者が若いころの話ならともかく、2004年出版当時の話としても「カセットテープ」なる言葉が出てきてびっくりする。
若者には何のことか想像もできないだろうなあ。
今は高速(?)インターネットもスマホもアプリもAIチャット(?)もあるので、語学の実態は様変わり。
でもやっぱり努力は必要。

学習のノウハウは古びても、自動翻訳・通訳が可能になってさえ他言語を学ぶ意義を見出すのだとしたら、著者の世界中の言語に対する姿勢は参考になるだろう。
また、著者も書いているように、語学は実は安く楽しめる遊び道具でもあるのだ。想像上の世界旅行だって可能。

言語学習と漫画描きを両方行っているという著者の、言葉と絵の両方が必要で、バランスを取っている、という意見に共感。

昔からどうしても原文で読みたいドイツ語の作家がいるのだが、ドイツ語は一度挑戦しようとしてすぐ挫折したきり。
再挑戦のときはやって来るのか?

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# by cathy_kate | 2018-09-25 18:00 | 第一幕 本 | Comments(0)

『コンタクト・インプロヴィゼーション 交感する身体』 シンシア・J・ノヴァック著

コンタクト・インプロヴィゼーション―交感する身体 (Art Edge)

シンシア・J. ノヴァック/フィルムアート社

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立木燁子、菊池淳子 訳(2000年)
'Sharing the Dance: Contact Improvisation and American Culture' (1990)

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# by cathy_kate | 2018-09-24 22:06 | 第一幕 本 | Comments(0)

『人生が変わるメンタルタフネス』 ピョートル・フェリクス・グジバチ著


人生が変わるメンタルタフネスーーグーグル流「超集中」で常識を超えるパフォーマンスを生み出す方法

ピョートル・フェリクス・グジバチ/廣済堂出版

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副題:グーグル流「超集中」で常識を超えるパフォーマンスを生み出す方法

しごくまともな、でも日本の企業ではできていなさそうな話が多い。

「森には20以上の感覚があって、光や風、気温、水などをさまざまな部分で感じ取っていると言われています」(p. 205)
すごい!「五感」かせいぜい「第六感」までしか存在しないと思っていたよ。

「極端に言えば、メンタルが強い人は『もう亡くなっている』という前提で生きているのではないかな。自分がいるかいないかというのは、時間の問題だけ」(p. 226)
確かに、宇宙視点で見れば、日々の悩みや苦しみどころか生死までも超越しているものなのかもしれないが。悟りの境地だね。


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# by cathy_kate | 2018-09-20 20:24 | 第一幕 本 | Comments(0)

『アート×テクノロジーの時代―社会を変革するクリエイティブ・ビジネス』 宮津大輔著

アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス (光文社新書)

宮津 大輔/光文社

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チームラボ、タクラム・デザイン・エンジニアリング、ライゾマティクス、寒川裕人とザ・ユージーン・スタジオ、というクリエイター(集団)のアート作品と哲学を解説。

最初はすごいねーと思うんだけど、だんだん感覚が鈍ってきて、なんかどうでもよくなるというか……。
でも、ちゃんと「体験」してみないと分からないのかな?


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# by cathy_kate | 2018-09-19 22:40 | 第一幕 本 | Comments(0)

『超AI時代の生存戦略―シンギュラリティ<2014年代>に備える34のリスト』 落合陽一著

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

落合 陽一/大和書房

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「超AI時代でも、いやだからこそ、体が資本だよね」みたいな記述が面白い。

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# by cathy_kate | 2018-09-19 22:20 | 第一幕 本 | Comments(0)

映画 『顔たち、ところどころ』 脚本・監督・出演:アニエス・ヴァルダ、JR

2017年フランス。89分。

「映画監督アニエス・ヴァルダ(作中で87歳)」と「写真家でアーティストのJR(作中で33歳)」が生み出した、完璧な映画。
涙が出るほど幸せに包まれる。

ヌーヴェルヴァーグの時代から映画監督でゴダールとも友人の映画監督と、一般の人々の顔や姿を写真撮影し、大きく印画した写真を建物の壁などに貼るアートプロジェクト「Inside Out(インサイド・アウト)」を各地で行うアーティスト。
私は2人とも知らなかったのですが、すごくすてきな人たちに見える。

フランス各地を車で巡りながら、出会った人々と話し、写真を撮り、彼らが大切に思う場所に貼り付ける。
参加型アート作品がどれも素晴らしい。
人を感動させたり笑顔にしたりするアート。

「アートは、見る人の想像力を刺激し、人間同士で交流するためのもの」と映画に出てくる。

ドキュメンタリー映画とあるが、後からせりふを入れていると思う。
編集も巧みだ。それが功を奏している。

2人の特別な才能はもちろん、JRの優しさとアニエスのチャーミングさと賢さは最高だ。


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# by cathy_kate | 2018-09-19 22:12 | 第五幕 映画 | Comments(0)

『101年目の孤独――希望の場所を求めて』 高橋源一郎著

101年目の孤独――希望の場所を求めて

高橋 源一郎/岩波書店

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障がいのある子どものための絵画教室、身体障がいのある人たちの劇団「態変」、子どもたちが自主的に活動する学校、イギリスの子どもホスピス、などを、作家である著者が訪れ、体験や思いを記した記録。

なぜ著者はこういった場所を訪れたのか?というと、自身のお子さんが大きな病気をしてその影響が残っていることがきっかけだったが、次第に、こういう「弱者」とされる人たちが生きている世界こそが、小説というものが表現しようとしているものなのだ、そして、こういうものがなければ、私たちは実は誰も生きていくことができない、と気付いたことによるらしい。

プロの小説家が、今までこのことに意識的には思い至らなかったとしたら、不思議な気がする。「ふつう」とされている世界で満ち足りている人は、小説を書くことも読むこともないのではないかと思う。ちょっと違うものが見えたり感じたりしてしまうから、小説を必要とするのではないだろうか。

と同時に、この本は、大きなことに気付かせてくれる。

自分の命の長さが限られていると知っている子どもは、数年しかこの世に生きていなくても、大人より成熟した考えをしていること。親よりも生と死について悟っていること。

他の「誰か」のためでなく、ただ「自分」のためだけにしている労働は、寂しく、空しいかもしれないこと。

進歩と成長という幻想にしがみついて、老いたり病気になったりしたときの自分たちの生活を、つらいものにしていること。

「長いあとがき」に書かれているような、老いても病気になっても、穏やかに生きて死を迎えられる社会にしたい。自分がそのように人に接してこなかったことを後悔する。日々の追い立てられるような生活の中で、ゆっくりと動いて、小さな声に耳を傾けることは、難しい。でも、ゆったりと周りや自分のことに気付くようにして、穏やかに受け入れる生活を実践したい。

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# by cathy_kate | 2018-09-01 12:34 | 第一幕 本 | Comments(0)

『10年後の仕事図鑑』 堀江貴文、落合陽一 著

10年後の仕事図鑑

堀江 貴文,落合 陽一/SBクリエイティブ

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著者2人の対談を書き起こして本にしたもの。例えば以下のようなことが書いてある。時代の先を行っているという自負のある人たちの意見だが、ものすごく努力をしている人たちということは確かだろう。

・人間は2足歩行をするので手が自由になり、器用なことができるようになって、知能が発達したらしい。
では、人類は、体を使わなくなると、知能も衰えるのかもしれないのか。

・「与えられた仕事に不満を持ち、モチベーションが低くなる」くらいなら、自分の意志でやりたいことをやれ。

・「機械は嘘をつかないので、信頼される」。「人間よりもAIが信頼されるようになると」、お客さんから「『「この人なら買ってもいい』と思われるような」、「フォロワーのいる営業職だけが生き残る」。
お世辞を言うようプログラミングされたAIはつくれるんじゃないかね?

・翻訳者は、AIにはできない、よほど「卓越した技術」などがなければ、生き残れないだろう。

・落合さんは、「メディア技術を用いた芸術」もやっている。

・「税金で賄う範囲を狭めて」いって、公的サービスや事業にも市場原理を働かせれば、効率が良くなり、必要な税金も減らせる。

・「『信用』が価値になる」。「交換可能な価値の缶詰をつくろう」。

・VALUというサービスでは、疑似的に、「個人の価値を判定し時価総額が創出される」。「疑似株式を与えられて」、「活動資金」も得られる。

・「教育の無償化」は、無価値な大学を存続させるだけで、「日本はグローバル社会から遠ざかる」。

・ベーシックインカムを導入して、有能な人は働いて価値を生み出し、そうでない人は好きなことをして政府から生活に必要な最低限のお金をもらえばいい。

・労働力の確保のために移民を受け入れても、日本人がやらない仕事をやらせるという意識なら、結局衰退に向かう。移民受け入れではなく、テクノロジーが進展して、病気や老衰を防いだり補ったりして、長く働けばいい。それで高齢化社会の問題を解決する。

・「最終的には技術の進化によって、事故死以外の、病気や老衰による死はなくなるのではないか」。
そこまで技術が進んだら、事故に遭っても、技術で補えて、チップ1枚でも生きていけるようになったりして……。怖過ぎる。

・「アーティスティックな発想がもっと必要だ」。

・将来は、身体に関することは技術で補完できるようになるので、「能力差=経験差」となり、「モチベーションの有無が人間の価値を左右する」。ほかに必要なのは、「言語化する能力」「論理力」「思考体力」「世界70億人を相手にすること」「経済感覚」「世界は人間が回しているという意識」「専門性」。

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# by cathy_kate | 2018-08-30 18:31 | Comments(0)

公演 「ダンスがみたい!20 笠井叡―土方巽幻風景」 d-倉庫にて

舞踏、オイリュトミーのダンサー、笠井叡が、舞踏家の土方巽が書いた『病める舞姫』をテクストに振付し、若者(?)5人と踊った作品です。

笠井さんは結構高齢だが、軽々と動く。舞台上で言っていた言葉は『病める舞姫』から、のはずですよね(この本を読んだことがなくて……)。

コミカルな動きもあって、観客から笑いも出る公演で、驚いた。
勝手にシリアスなものを想像していました。
同時に、笠井さんはなんか迫力があるんですよね。

他の5人は走り回ったり、全裸になったりして、大変そう(でも、舞踏は裸で踊ることも結構あるようですが)。
裸になったせいかは分かりませんが、「原始」的なイメージを受けました。

何を表すダンスだったのか、とか、素晴らしい公演だったのか、とかは、正直、全然分かりません(!)
なんかすごいものを見たような気もするけど、夢?といった感じ。
観客席からは摩訶不思議なエネルギー、熱のようなものを感じました。


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# by cathy_kate | 2018-08-15 21:53 | 第三幕 ダンス | Comments(0)

長編小説 『地球星人』 村田沙耶香著

地球星人

村田 沙耶香/新潮社

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新潮 2018年 05月号

新潮社

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『新潮』2018年5月号に掲載。近々、単行本が刊行されるようです。

あー、怖かったー、すごく怖い話だった。
ホラーじみた結末が不気味だが、それよりも、主人公が世界や周囲の人間を見る感覚が、自分のものと近かったから、ゾッとした。
すべて同じだったのではなく一部の感覚だけだし、私はあんなひどい虐待には全然遭っていませんが、自分だけが違う星の生物のように感じたり、周囲と自分が切り離されているような感覚とか、時には自分のことが他人事に思える感覚とか、どこか違う所に自分の意識を飛ばして逃避しようとしたり、なんか、世界に自分がなじめない感覚というんですかね。

主人公は、いつかみんなと同じちゃんとした「地球星人」になりたい、と長らく願う。
本当は一人一人みんな違うし、誰もがきっと多かれ少なかれ社会や他人に対して違和感を抱いている。頭では理解しているつもりなのですが、ちゃんと自然と普通に生きることができているマジョリティーというものが自分の外に存在し、いつか自分もその人たちみたいな「振り」をして生きられるんじゃないか、そんな愚かな希望をいまだに完全には捨てきれずにいたり、でもやっぱりそんな振りは無理なんだという現実を突き付けられたり。
自分は自分なんだ、それはどうしようもないし、それでいいんだ、といいかげん分かっているつもりでも、なんだか変な罠にはまりそうなことも、もしかしたらまだあるのかも。
闘いですね、闘い。

RADWIMPSの歌「棒人間」の歌詞の意味がすごくよく分かる。
芥川賞作家や、メジャーなテレビドラマの歌を担当する歌手が、こういうことを書いて発表しているのだから、実は多くの人が同じように感じているはずなのだ。文豪、太宰治しかり。

それでも、例えばこの記事の批評家が「いや、これはほんとうに「狂気」なのだろうか。そう思うのはこちらが「地球星人」であるからではないのか。」と書くのを見るとき、きっとこの感覚がこの人にとってはなじみのないものだったんだろうなと思う。もしかしたら、多くの人にとっては思いも寄らぬものだったから、画期的な文学作品と見なされたのかもしれない。


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# by cathy_kate | 2018-08-15 21:39 | 第一幕 本 | Comments(0)

演劇 『アイヌ オセロ(旺征露)』 The Shakespeare Company

シェイクスピア・カンパニーによる、シェイクスピア戯曲『オセロー』の翻案劇、といっていいのか。
原作の黒人オセロ―がアイヌとなっており、せりふは東北弁。
でも、内容はほぼ原作通りだと思う(原作をすべて上演すると長いので、短くはなっているが)。
アイヌの音楽演奏も入る。

シェイクスピア・カンパニーは、学者の下館和己さん率いる、東北弁でシェイクスピア劇を上演する劇団。
今回の舞台では、アイヌ民族の秋辺デボさんが演出で参加した。
(秋辺さんが会場にいらっしゃっていたが、日本語ではあるがシェイクスピア劇の上演のため、てっきり欧米の方かと思っていた。アフタートークで登場し、秋辺さんだと分かった。アイヌ民族の人たちの外見の特徴については聞いたことがあり、写真で目にしたこともあったのに、現実ではこんな思い違いをしてしまった)

東北弁が分からなくても、原作の内容を知っていたおかげか、せりふが何を言っているか分からないということもなく、フラストレーションなく、意外とスッと入り込んで楽しめた。
脚本と演出のなせる業だったのかもしれない。

アトゥイ オセロ/新ベニスの商人 (東北シェイクスピア脚本集 第5巻)

下館和巳/ココ出版

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# by cathy_kate | 2018-08-15 20:42 | 第四幕 演劇 | Comments(0)

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?―経営における「アート」と「サイエンス」』 山口 周 著

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

山口 周/光文社

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著者は、大学院で美学美術史学を専攻後、大手企業で働き、人材育成や経営のコンサルタントを行っているらしい。
現代の社会や企業の状況に照らして読むと、うなずける部分が多い。

・現代では、「人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要」。→「すてきな私」を演出できるものが売れる、ということか。

・自分が手掛ける仕事を「作品」「表現行為」と捉えてみる。

・自分の中に「美意識」「美学とモラル」を確立し、それに従うことは、結局は「効率がいい」仕事をすることになる。(外的な物差しに従っていると、実は危険)

・しかし、日本の学校教育は、決められたルールに沿ってさえいればよかった高度経済成長期やバブル期のものと大きく変革はできていない。

・「意思決定」において、実は論理的思考だけではうまく決められず、「感情」「感受性や情動」(好き嫌い、いい感じやいやな感じ)で最終的に決断している可能性がある(脳の働きの観察実験から)。

・仕事や経営で「感性」(アート的なもの)も必要なのに、論理(サイエンス的なもの)しか重視しない人に対すると、「感性」や「直感」は説明できないものなので、常に「論理」や「分析」に言い負かされてしまう。でも、そうやってアート的なものをつぶしていると、ビジネスとしても成功できない。

・論理的思考や分析は過去について理解するには役立つが、それだけでは未来を創出することはできない。

・「アート」型、「サイエンス」型、「クラフト」型の役割分担とバランスが大切。

・「アカウンタビリティ(説明責任)」、つまり論理的な説明のみを重視することは、すなわち、「リーダーシップの放棄」。(論理性だけを追求すれば、誰がやっても同じになるので)

・論理や分析を突き詰めて、「顧客のニーズ」を洗い出し、顧客に「おもねる」事業を展開することは、他社と差別化できず、最終的には価格競争に陥る。ユニークなものを生み出し大ヒットさせるのは、「アート」な発想である。

実感として、どれもとてもうなずけます……。

・組織のルールに適応できずに外から批判するのでは結局何も変えられない、組織に適応しつつ組織の内部からおかしなところは変えていくべき。
というのには、エリートらしいしたたかさを感じる。内部でなあなあに堕落していく組織人間には耳が痛い話だろうなあ。


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# by cathy_kate | 2018-08-15 18:45 | 第一幕 本 | Comments(0)