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本、展覧会、映画、ダンス・演劇のパフォーマンスなど。日常についても。文学、美術などの芸術、ヨーロッパ、英語に加え、最近は中国語と中国語文化圏に興味あり。フランス語ももっと勉強したいと思うこの頃。
by cathy_kate
カテゴリ
全体
序幕 はじめに
第一幕 本
第二幕 美術
第三幕 ダンス
第四幕 演劇
第五幕 映画
第六幕 音楽
第七幕 混合芸術
第八幕 旅
第九幕 料理
幕間 日常
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『感動中国! 女ひとり、千里をいく』 谷崎光著

感動中国!

谷崎 光 / 文藝春秋


上海、広東省、福建省、雲南省、江西省、安徽省、山西省をめぐった北京在住のライターによる旅行記。

プロローグの上海の部分を読んで、特に洞察力や感性が優れて鋭いわけではないし、かといって研究者ではないので、歴史的な情報も資料からの受け売りだし、つまらないかも、と思ったが、読み進めるうちに、自分では一生行きそうにない場所ばかりについて書かれているから、まあ疑似体験として多少おもしろいかな、と考えが変わった。

それにしても、段落数がやたらに多く口調が私の好みではないのは、まあ著者の個性だからいいとしても、あまりに文章が整理されていないと感じた。個人のブログならいいと思うが、きちんとした出版社から出している本なのにどうして、と不思議です。

本書を読んで、「よし、自分もこれらの土地に行くぞ!」と思う人は、かなり冒険心が旺盛な人でしょう……。理由は、読めばわかります。
# by cathy_kate | 2012-01-16 00:51 | 第一幕 本 | Comments(0)
東京都写真美術館の企画展3つ
「ストリート・ライフ ヨーロッパを見つめた7人の写真家たち」
ジョン・トムソン、トーマス・アナン、ビル・ブラント、ウジェーヌ・アジェ、ブラッサイ、ハインリッヒ・ツィレ、アウグスト・ザンダーが撮影した、19世紀後半から20世紀前半のヨーロッパの写真。
「消えゆく街並みを記録した」だけあって、ノスタルジーあふれる作品が多いかも。街並みの写真も人々を撮った写真もよいのだが、どちらかというとこういう写真は本でじっくり見たい気もしてしまう。こういうプリントの方が写真集よりも質はいいのでしょうが。

「日本の新進作家展vol.10 写真の飛躍」
5人の日本の写真家(最年長は1968年生まれ、最年少は1982年生まれ)による作品を紹介。
水をアップで写したもの。日本の建物や川や西洋の昔の肖像写真などをコラージュして巨大な街を作り出す作品。同じ地で撮影した数十人の人の写真を重ねてプリントした肖像写真。人の体の一部を残像のように切り取る肖像写真。など。(残る一人は草花とかを淡い感じに撮影したものだったかな……)
水のアップ、コラージュ、重ね肖像写真の人たちは、力がある写真家なんだろうなあという感じ。個人的に気に入ったのは、春木麻衣子の「inner portrait」(2011)。白っぽい壁の前を歩く通行人の足の部分があざやかに写っている16点組みの写真。安かったら欲しいなあと思ったけど、おいくらなのでしょう……。

「見えない世界のみつめ方」
飛ばし見しちゃったのでよくわからなかったのですが……。世界の見方を検証する展示らしいです。ビデオアートみたいな映像作品がちょっとおもしろかった。
# by cathy_kate | 2012-01-08 23:13 | 第二幕 美術 | Comments(0)
『今日と明日の間で』 小林潤子監督
ダンサー首藤康之のドキュメンタリー。

9歳でバレエに出合い、15歳で東京バレエ団に入団。最初は古典バレエの王子役などを踊り、さらにモーリス・ベジャール、イリ・キリアン、ジョン・ノイマイヤーなどの現代作品も踊る。話題になったマシュー・ボーン版「スワンレイク」にも出演。2004年に東京バレエ団を退団後は、「空白に落ちた男」など新しい領域にも挑戦。40歳になってもずっと踊り続けたいという彼の姿を、非常にシンプルにしかし熱烈に描く。

いかにも低予算という雰囲気の映画だが、首藤さんのダンスもお話も、首藤さんにかかわった人々のお話もすべて興味深く、ダンスの場面がもう本当に素晴らしくて……、いい映画だわ。

クラシックバレエをきちんとできる人なのに、コンテンポラリーなどにもどんどん挑戦して吸収していて、すごく自然に自由に伸びやかに踊っているように見える。でも実はダンスって自然でも自由でもないんだろうな、そう見えるだけで。実際は、体を動かすときはもちろん緊張感にあふれていて、踊るというのは厳しい世界。それなのに、解放されて開放感にあふれて気持ちよく舞っているように見えるのがダンサーの不思議。

映画の中に出てくる2010年の「時の庭」という作品は、私が生で見たもの!
さらに、首藤さんが東京バレエ団の公演で踊った「ボレロ」「中国の不思議な役人」「牧神の午後」あたりは生で見たんじゃないかなあ。
あまり意識したことなかったけど、結構彼の踊りをいろいろ見てましたね。

また、首藤さんと共演したり首藤さんに作品を振り付けたりしている中村恩恵さんは公演を何度か見たことがあるだけでなく、一度彼女のバレエのレッスンを受けたこともあります。
映画に出てくる「アポクリフ」という作品を振り付けて出演もしたシディ・ラルビ・シェルカウイさんの最新作『TeZukA』を今度劇場に見に行くしなー(映画を見終わってから気づいた)。
中村恩恵さんは、首藤さんも作品を踊ったイリ・キリアンのネザーランド・ダンス・シアターにいたのだが、そのダンスシアターの若いダンサーたちの公演ですごくよかったものをイギリスで見たこともある。

首藤さんの踊りは、生で見たときも思ったけど、映像で近くから見ると、さらに色っぽい!とてもセクシーですが、全然いやらしくなく、清潔感がある。映画の公式サイトでもそういうことが書いてあった。さらに、そのサイトで両性具有的ともあったが、まさにそうなのです。「中国の不思議な役人」では女性役も躍っているし。

普段の動作とかも限りなくゲイっぽいのですが、ゲイっぽいストレートの人もいるから、実際のところはわからないな。どちらにせよ、この人と付き合ったり結婚したりするのは大変そうだ。本当にダンス一筋という感じだし、周囲の人が一様に「不器用な人」と言っていたし、本人も自分は壁を作って近寄りがたい雰囲気を作ってしまうと言っていたし。公演の本番中は眠れないとか、毎日決まった一連のストレッチや動きを行うというのはダンサーにとっては普通のことかもしれないが、そうでない一般人にとってはなんか気を遣っちゃうというか、神経に障りそうだしなー。

この映画のために制作された「Between Today and Tomorrow」がオープニングとエンディングで首藤によって踊られる。この作品がまたよいのです!振付は中村恩恵、音楽はなんと椎名林檎。歌がなくても曲が椎名林檎っぽいからおもしろい。

もっともっと踊りを見つめていたくなる人。クセになっちゃうダンサーなんじゃないかしら。

変な話ですが、いいダンスを見ると、なぜ自分はそういうことができる人間に生まれなかったんだろうって思っちゃいます。ダンスのほかにも、絵画修復とかの職人さん的なこととか。そういう才能があったら、絶対に、体や手先を使った芸術的なことを追求したかったな。自分が持っていないからこそ引かれるんですかね。

映画の公式サイトはこちら
# by cathy_kate | 2012-01-08 00:33 | 第五幕 映画 | Comments(0)
プラハ旅行―2日目
朝5時起床。
昨晩と同じレストラン(Caribbean Restaurantとかいう名前だったような……)でビュフェ形式の朝食をいただく。大雑把な味だが、サラダとライスがあり、飲み物がいろいろあった(ココアとかも)のがうれしかった。

ホテルのチェックアウトは、支払い済みの場合は、カードキーをボール型の透明な入れ物に入れるだけで完了。
昨晩チェックインしたときに空港までのシャトルバスの時刻表をもらっていた。まだまだ濃い霧の中、暗い寒空の下で、ほかの不安そうな宿泊客と一緒に待つ。6:55発のバスに乗る。

近辺のほかのホテルにも2カ所くらい寄ってから、7:15くらいに空港に着く。
搭乗便のチェックインカウンターに行き、カウンターの手前にあるチェックイン機に並ぶ。Eチケット番号を入力したら、スムーズに搭乗券を発券できた。いつもは通路側の席を選ぶが、この便ではもう窓際しか空いていなかった。

荷物はすべて機内持ち込みにするので、チェックインカウンターでパスポートと搭乗券を見せて、セキュリティーチェックを通過。
結構遠い搭乗ゲートまで歩く。

ゲートで待っていたら、ゲート変更の放送が入る。電光掲示板で確認したら、9:25発の便が10:30に変更になっていた。
新しいゲートで待っていたら、今度は12:00発に変更に。本当に飛ぶのか?風邪気味で調子がいまいちな中、不安がよぎる。次々といろいろな便のゲート変更の放送が流れているが、欠航便も出ている様子……。大きな窓の外は霧で真っ白。

再び12:45発に変更になり、さらにゲートの変更。到着便と出発便の変更続きで、混乱しているっぽい。
やっと搭乗が開始され、霧が出たままの中、13:20ごろ離陸。なんと(?)雲の上に出たら、太陽の光がまぶしくてびっくり。上空は見通しがいいわけか……?

離陸直前に、おそろいのジャンパーを着た若い男性の団体が乗り込んできていた。みんな長身でたくましい。スポーツチームの方たちだったのでしょうか(ジャンパーには、ナントカFlamesと書いてあった)。

結構おいしいケーキと飲み物が供され、14:30ごろに、無事プラハ・ルズィニェ国際空港に着陸。
昨日の欠航便のおかげで、ほぼ丸1日損したが、明るいうちにプラハに着けたのはよかったかな。曇っていて寒い。
チェコはシェンゲン協定に加盟しているので、同じく協定に入っている中継地で入国審査は済んでいる。荷物も預けていないので、すぐに出口へ。

出て左手(Informationの表示のある方)に行くと、public transportation(公共交通機関)のインフォメーションがある。掲示板に、市バスの各路線の行き先と地下鉄との接続、出発時刻が表示されている。平日なので本数が多く、数分おきにバスが出ている。

奮発(?)してエアポート・エクスプレスに乗ろうと思っていたけど、窓口でデイヴィツカー駅まで行きたいと言うと、地下鉄も乗るのか?と聞かれ、そうだと答えると32コルナと言われた。エアポート・エクスプレス(バスのみ)の半額以下だ。どうやら私は市バスの切符を買ったらしい。
係員が、32コルナのチケットで、改札してから90分以内なら、市バスとメトロの両方に乗れると教えてくれた。

大きな荷物などを持って地下鉄に乗車すると別途料金が生じるのだが、インフォメーションの人は窓口から私の荷物を見下ろし、料金を払わなければならない大きさではないと判断したようだ。
ここのインフォメーションで、市バスとトラムの路線図をもらっておくと便利。

市営の市バスやメトロやトラムはチケットが共通なのだが、料金の仕組みはいまいちわからず。ガイドブックにはいろいろと書いてあるが、少なくとも外国人観光客としては、改札してから(メトロにも日本のような出入りをコントロールする改札はなく、簡易な改札機で自分で改札する)、1時間以内で乗車を終えるなら24コルナ、90分以内なら32コルナのチケットを買えばいいということなのかな。幸い一度も検札にはあわなかったので、この認識が正しいかどうかの確証は得られず。

空港の建物を出てバス乗り場へ。乗り場に改札機があったので改札する(通常、市バスの車内にも改札機はある)。市バス119番に乗る。
30分もかからずデイヴィツカーに到着。停留所で降りて左手にメトロのデイヴィツカー駅への入口がある。バスを降りた観光客の方々とともに階段を降りて地下へ。

デイヴィツカー駅は地下鉄A線の終点である。したがって一方向への地下鉄しか来ない。
乗車し、スリが多いとガイドブックに書いてあったので、警戒しつつ座席に座る。
しかし車内は混んでいるわけではないし、子供や観光客が乗っていて危険な感じはしない。ただし、混んでいる車内だとスリらしき人々が実際にいたので注意は常に必要と思われる。

4つ目の駅がムーステク駅、ここで下車する。ヴァーツラフ広場という表示のある出口から出る。ヴァーツラフ広場というのは、たくさんの店やホテルが並ぶ大通りで、泊まるホテルはこの広場に面している。

出口を出て、左に行けばすぐホテル・アンバサドル・ズラター・フサだったのに、地図が苦手な私はお決まりのように道に迷った。しばらく地図をにらみながらふらふらした後、ホテル発見。マクドナルドが多すぎてわかりにくいのよー。結局、Mac Caféの近くだったが、これも近くに何軒かあるのかも。

ホテルは一応5つ星らしいが、シーズンオフのためか、日本の海外ホテルを扱うサイトで予約して、朝食込みで1泊7千円もしなかった。
本当は昨日着く予定だったが、連絡しておいたので、問題なくチェックインできた。
朝食は6~10時。Lobby Barで使えるウェルカムドリンク券をくれた。

感じのよいおじいさんのポーターが荷物を運んでくれて、部屋のある3階(日本式では4階に当たる)までエレベーターで行く。チップあげなきゃ、と緊張していたら、カードキーで部屋に入って荷物を置いた途端、さささっとあっという間に出て行ってしまいました。

価格から予想していた通り、窓の外は工事現場だが、部屋に長居はしないし、常にカーテンを閉めておけば問題なし。騒音もなかった。足場が組んであるので、窓から強盗が入らないか心配しないでもなかったが、幸い何も盗まれなかった。

部屋は十分広く、お風呂がジャグジーみたいになるのにびっくり!冬に歩き回って観光する身には、これはかなりありがたかった。お湯も問題なく出るし、トイレも問題なく流れる。ヨーロッパの古式なホテルとしては水回りがきちんとしているのはかなりポイント高いです。

冬だからか室内で虫も見かけなかったし、どこも特にかび臭くない。気をつけるべきは乾燥。私は乾燥が苦手なので、夜寝るときは浴室の換気扇を止め、洗濯物を干していました。これでちょうどいい感じ。最初の日は換気扇をそのままにして寝てしまい、ちょっとひどい目にあいました。



16:30ごろ、ヴァーツラフ広場を散策しに外へ。
うろうろする。服や靴をいろいろ売っているのはもちろん、国際銀行カードが使えるATMや庶民的な大きめの食料品店、書店などがあって便利な広場(というか大通り)。レストランやファーストフード店もある。

ムーステク駅の反対側、つまりホテルを出て左手の方(聖ヴァーツラフの騎馬像がある方)へ歩いていき、向こう側へ渡ると、中華レストランの看板が。やや細い通りを入って坂道を上ると、看板のあった中華レストランと、その手前にもう1軒似たような中華レストランがあった。

どちらも店の前にメニューの大きな写真が出ていて、料理と値段を比べてみたが似たり寄ったり。そして両方ともがらがら。まだ17時だから?
看板が出ていなかった方の店にはかろうじて客が1人窓際に座っていたので、そちらに入る。すると、客と思ったその若い男性が立ち上がった。もう1人別の若い男性も出てきて私を見つめる。2人とも中国系と思われる。無言。なぜ……?客が来たからってそんなに驚かなくても。準備中なのかと思っちゃいました。

Hello.と言ったら、英語で対応してくれた。
79コルナのご飯付き鶏肉(ピリ辛の酢豚の鶏肉バージョンのようなもの)を注文。客と勘違いした男性がちゃっちゃっと作ってくれました。
ちなみにもう1人の男性は、私が食べ終わるころ店のテーブルに突っ伏して寝ていました……。彼らは携帯電話で話したり2人で会話したりしていたが、よく聞こえないこともあり、何語なのか不明だった。

料理は温かくておいしかった。ご飯(米)好きなんです。
ナイフとフォークだったのが驚いた。箸はありませんかと聞こうと思ったがやめて、おとなしくナイフとフォークで食べた。それにしても私、どこの人と思われたのかしら?それとも元々箸を用意していないのか?(そんなばかな~)
食べた後、ホテルでチェックインのときもらった地図などを眺めてちょっとのんびりする。


ヴァーツラフ広場に戻り、書店に入って、英訳のチェコの小説やチェコ語の絵本を買う。この書店は大きくて、外国語(英語とか)の本もあり、児童書もたくさん置いてあって楽しい。
後日わかったのだが、ヴァーツラフ広場には、ムーステク駅の方にももっと大きな書店があったのでした。大きい本屋がある街、好き。

イギリス系のスーパーマーケットというかデパートというかのMarks & Spencerがあったけど、ファッションしか扱っていなくて残念だった。イギリスと同じ食料品が売っていたら楽しかったのにー。

ヴァーツラフ広場の端にある聖ヴァーツラフの騎馬像を見学。観光客が写真を撮っている(私も)。ヴァーツラフ広場を見渡すと、夜景がとってもきれい!人がたくさん歩いていてにぎやかです。




18時ごろかな、ホテルに戻って、バーへ。チェックイン時にもらった無料ドリンク券をカウンターの人に見せると、ワインかジュースか?と聞かれた。ワインと答えたら驚かれたけど、未成年じゃないですよー?!

冬だからか、レモン入りのホットワインだった。砂糖が付いていたが、入れずに飲んだ。おいしくて、体が温まる。しかし、長旅の疲れとたぶんこのアルコールのおかげで、翌朝寝坊しました……。
バーにはピアノの音楽が流れていたが、なぜか英語の懐メロ。外国人観光客がメインだからかもしれないが、ちょっと寂しいな(チェコの曲でもいいんじゃない?)

バーでさっき買った本を少し読み、部屋に戻ると、ベッドの上にチョコレートが置いてあった。11時ごろ就寝。
# by cathy_kate | 2012-01-05 00:04 | 第八幕 旅 | Comments(0)
『オリバー・ツイスト/Oliver Twist』 ロマン・ポランスキー監督

オリバー・ツイスト [DVD]

ポニーキャニオン


2005年フランス・イギリス・チェコ

出演:ベン・キングズレー、バーニー・クラーク、ジェイミー・フォアマン、ハリー・イーデン、リアン・ロウ、エドワード・ハードウィック

19世紀イギリスのチャールズ・ディケンズの有名小説が原作。
原作は読もう読もうと思っていて、イギリスで買った本を持っているのに、いまだに1ページも読んでいない。大衆小説とはいえ、前々世紀の英語なので、そんなに読みやすくもなさそうなのよねえ。

同じ小説を原作とする、ちょっと古いミュージカル映画『オリバー!』を見たことがあったのですが、話が少し違うところがある。このポランスキー作品の方が原作に近いのかな?そうとも限らないか?

9歳の孤児オリバーが、ひどい目にあいながら何とかロンドンにたどり着き、ドジャーという少年に声をかけられる。彼の案内で、身寄りのない子供たちを集めてスリをさせているフェイギンのもとへ連れて行かれ、仲間となる。


あるきっかけでお金持ちの紳士の家に引き取られるが、安心で幸せな時はつかの間、すぐに、フェイギンのもとでかつて盗みを働いていたビルによって連れ戻される。かわいらしい顔つきをし、純粋で素直で愚かではないオリバーは、無実のまま幸せになれるのか――。


高い制作費をかけただけあって、上質な作り。見事に当時の様子を再現しているし、どの映像も素晴らしい。

が、ロマンスキーの真骨頂が発揮されているのは、最後にオリバーが牢獄のフェイギンと再会する場面ではないでしょうか。ここでフェイギン役のベン・キングズレーの台詞と演技に一気に涙があふれ出てしまいました……。悪党といえども信じるものや大切にするものが必要なんだ、しかも金目の物ではなく、誰か生身の「人」が。と思わせられ、感動しました。

でも、よくよーく考えてみると、それだけではないのがポランスキー。
オリバーが何度か「こいつは絞首刑になる」と言われることと、上記の再会の直後にオリバーが去る場面の背景にフェイギンが処刑されるはずの絞首台が映し出されている(たぶん)こと。
フェイギンはユダヤ人という設定らしく、また、ポランスキー自身が戦争中に「ユダヤ人」として悲惨な目にあっていることを考えると、牢獄の場面で、(キリスト教徒であろう)オリバーがフェイギンに、(死ぬ前に)一度でいいから神に祈ってください、と涙ながらに訴えることに、何やら裏の意味合いがあるように思えてくる……。
などなど。ほかにもいろいろあるかもしれません。

メジャーな作品作りをしても、どこか暗い影に覆われ、一筋縄ではいかないポイントを忍び込ませるポランスキー。さすがです!

英語の公式サイトはこちら
衣装や街並みのセットのイラストなどがきれいな充実したサイトです。
# by cathy_kate | 2012-01-04 00:19 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『扉をたたく人/The Visitor』 トム・マッカーシー監督&脚本

扉をたたく人 [DVD]

東宝


2007年アメリカ
リチャード・ジェンキンス主演

数年前に映画館で予告編を見て気になっていた作品。

大学教授のウォルターは妻が亡くなって以来、仕事が忙しいと孤独に無気力に過ごしている。ピアノが上手だった妻を思い、ピアノを習うがうまくいかない。
普段はコネティカットにいるが、学会に出席するため、以前妻と暮らしていたニューヨークのアパートを久しぶりに訪れる。しかしそこにはシリア出身の青年とセネガル出身の若い女性のカップルが、詐欺師に騙されて契約を結び、住んでいた。

おとなしく出ていこうとするカップルを追い、しばらく宿を貸すことにしたウォルター。奇妙な同居生活が始まった。女性のゼイナブは打ち解けないが、青年タレクは人懐こく、アフリカのドラムであるジャンベを通して、ウォルターと親しくなっていく。

しかしある日、地下鉄で無賃乗車を疑われたタレクは逮捕されてしまう。誤解だからすぐに釈放されると思ったウォルターに、ゼイナブが私たちは不法移民だと告げる。
タレクと面会をしに行くウォルターの家に、タレクの母親だという美しい女性が現れるが……。

アメリカで当初4館のみでの公開だったというだけあって、安易なご都合主義的お涙頂戴的な作りにはなっていない。ラストも、登場人物たちの思うようにはいかなくてリアル。でもラストシーンが力強くてすてきだ。

後からああそういうことだったのか!と気づく心憎い演出も。
例えば、ウォルターが学会に行きたがらなかったのは、発表する論文に共著者として名前を貸しただけで自分は実際には執筆していないことだけが原因ではなく、学会が開催されるニューヨークでかつて妻と生活していたからだろうと、後から、ニューヨークのアパートで同じアパートの住人と再会する場面になって初めて推測できるようになっている。
また、タレクの母親モーナをニューヨークのアパートに泊めてあげておいて、一旦仕事でコネティカットに行き、戻ってきたウォルターが扉を開けると、ピアノの音が聞こえてくる。部屋の中に入っていくと、CDをかけながらモーナが掃除をしている。そして二人の会話から、CDの音楽はウォルターの妻が生前弾いたものだとわかる、というのがロマンチック。この後、ウォルターはモーナをデートに誘います。

9・11後のアメリカの厳しい移民政策を扱う社会派の映画であると同時に、それ以上に、生きがいとは何か、大切な人と過ごせる意味とは、を描いている映画だと思います。

映画の日本での公式サイトはこちら
# by cathy_kate | 2012-01-03 20:29 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『イギリス節約生活』 アリスン・デバイン(Alison Devine)著

イギリス節約生活―お金がなくても幸せになれる (カッパ・ブックス)

アリスン デバイン / 光文社


副題は「お金がなくても幸せになれる」。
2002年に発行されていて、不況になった日本で、お金がたくさんなくても楽しく幸せに暮らす知恵と考え方を、イギリス(のイングランド)のワーキングクラス(=労働者階級)の生活から学ぼう、という本のようです。

歯を磨く間に水を出しっぱなしにしておくとか、コピー機やプリンターで裏紙を使わずに捨てるとか、についてマンチェスター出身の著者が驚きを表明しているが、さすがに日本でも現在はそんな贅沢はしてないよねえ。

人の目や流行を気にして毎年新しい流行の服を買うのはもったいないなどの考え方には共感できるが、具体的な「節約術」は何もそこまで……というものも多い。
物を捨てずに取っておいて使うというのは、昨年日本で特によく言われた、「物を捨てて多くを持たずにシンプルに生きる」というのとは相反しますね。
手作りのワザとかも、その手間をかける価値があると考えるかどうかは意見が分かれそう。その作業自体が楽しくなっちゃえばしめたものだけど。
# by cathy_kate | 2012-01-03 18:39 | 第一幕 本 | Comments(0)
プラハ旅行―1日目
ちょっと前にチェコの首都プラハに旅行に行きました。

日本からプラハへの直行便はないので、ヨーロッパ内で乗り継ぎ。
のはずが、中継地に到着すると、なんと濃霧で乗り継ぎ便が欠航になっていた。
ヨーロッパでの乗り継ぎは何度か経験があるが、こんなことは初めて。
空港に着陸する前に、到着地には霧が出ていて、また、空港の上空が混んでいるので、しばらく旋回します、とかアナウンスが入って、着陸まで手間取っていたのは、このせいだったのかー!!(もっと早く、機内で予告くらいしてくれ)

空港にある航空会社のカウンターが、相次ぐ欠航便のために新しい便を予約しなければならない客で長蛇の列だというのに、17時に閉まる(!)という。
今夜は、航空会社のホテル予約カウンターに行ってホテルを取ってもらい、自分で航空会社の予約センターに電話して、明日出発の振り替えの便を予約することをお勧めします、と航空会社の人に告げられる。
え~、そんなことあるのお~?!と、日本からの長時間フライトで疲れた体を引きずって、空港内のホテル予約カウンターへ向かう。

ホテル予約カウンターも長蛇の列で、どんどん並ぶ人が増えていく。
このあたりで、周囲の人が係員にしている質問を小耳にはさむうちに気が付いたのだが、荷物を預けず、すべて機内持ち込みにしたのは賢明だった。
荷物を預けた人は、欠航便になったことで、いろいろな便の荷物が行き先不明でごちゃごちゃになり、空港の地下に山積みされていて、今は渡せない、というようなことを係員に言われていたみたいだが……。それはすごく困るだろうに!

航空会社の人が、列に並んでいる人に、ミネラルウォーターとチョコバーを配布してくれた。両方とも受け取りました。ミネラルウォーターは旅には必須だし、飛行機を降りて以来何も飲む時間がなくて、のどが渇いていた。チョコバーは後日食べたが、とってもかたくて、食いちぎるのが大変でした。お腹は多少膨れたけど……。

また、列の一人一人に、航空会社のウェブサイトのURLと電話番号が書かれた紙が配られました。今夜ホテルにチェックインしたら、まずサイトにログインして、すでにほかの新しい便が予約されているか確認し、されていなかったら、電話して自分で予約し直すようにと言われた。はあ……、やっぱり自分で電話しなきゃいけないんですか?と思いながら、我慢して待つ。

後ろに並んでいたウガンダの人と少し話し、やっと順番が来て、空港近くのホテルを割り当てられた。そのウガンダの人と同じホテルだったので、一緒にバス乗り場に行ってシャトルバスに乗り、すぐ近くのホテルへ。

ホテルでチェックインするにもまた行列。
スペイン語しか話さない南米出身っぽい一家が困っていた。ホテルのフロントの人は、フランス語を話す人もいたみたいだけど、スペイン語を話す人はいなかったらしく、スペイン人らしき宿泊客が通訳してあげていた。

ホテルの宿泊費は、もちろん航空会社もちで無料。
空港の予約カウンターでもらったホテルバウチャーを出してチェックイン(ちなみに、空港のカウンターでは、ポーチに歯ブラシや化粧落としのクレンジングや乳液などが入った宿泊セットもくれた)。
航空会社のお詫びの印としてウェルカムドリンク(私は飲みそびれたけど)と、その夜の夕食と翌朝の朝食が付いていた。

広いホテルで、部屋の位置がわからず、ウガンダの人と探し回る。しかもエレベーターが使えず、本当はエスカレーターがあったがそのときはそれがわからなかったので、階段を荷物を引きずって上り、やっと部屋にたどり着く。
豪華ホテルではないが、部屋は機能的で、狭くもない、まあ十分である。

先ほど空港のホテル予約カウンターで、航空会社のウェブサイトを調べてもらい、新たな便の予約が入っていないことは確認済みだったので、部屋の電話から航空会社の予約センターに電話する。でもつながらない。何度かかけた後、ホテルのフロントの人が出て、その番号には、フロントの電話機からでないとかからないと教えてくれた。はぁ~。

仕方ないので、フロントへ向かう。
この後、フロントで何時間も過ごすはめになるとは……。
おかげで、向かいの部屋に泊まることになったウガンダの人とは、もう会う機会がありませんでした。

フロントは人でにぎわっている。
フロントにある電話というのが、当初は公衆電話のことを指しているのだろうと思って、クレジットカードを差し込んで(ユーロ通貨を持っていなかったので)、予約センターに電話をかける。
オペレーターの人が出て、番号を聞かれたりのやりとりを経たあげく、このクレジットカードではかけられませんと言われた。

途方に暮れつつフロントに近づいてみると、1台開放されている電話があり、どうやらその電話を使って、無料で予約センターにかけていいらしい。
何人か電話機の前に並んでいて、しかも電話を使っている人は、予約センターが混んでいてなかなかつながらない様子。

電話を待っている人々は陽気におしゃべり。大学生のかわいい日本人の女の子がアイドル的存在になっていた。みんな余裕があっていいなあ、と思いつつ、だんだん私もそのペースに巻き込まれながら待つ。
アメリカ人、英語を話さないイタリア人、アフリカかどこかの黒人の人がいた。イタリアのおじさんにイタリア語とジェスチャーで話をされ(!)、頑張って集中しながらコミュニケーションを取って、楽しいが疲れる。

かなり待った後、前の人が予約センターとつながった受話器を渡してくれ、予約をし直すことができた!
翌朝のプラハ行きの便を予約。出発時間や予約番号などを必死に書き取る。
Eチケットをメールで送ってくれると言うので、フロント近くにあるパソコンで、そのメールを確認して、便の出発時間などを確かめたいと思う(ウェブサイトからアクセスできるメールなので)。
当日空港に行き、チェックイン機に予約番号を入れるなどすれば、航空券を発券できるので、必ずしもメールを確認しなくてもよかったのですけれども。

フロントのパソコンからネットを使うのは有料だった。
やむをえずフロントの列に並び、持参したチェコの通貨コルナは取り扱いがないと言うので、日本円(2000円)をユーロに両替してもらう。まあいいわよ、今は円高だから!

パソコンにユーロのコインを入れる。
メールのサイトまでどうやってたどり着くのか?が難関だったけど、何とか成功。
メールは当然日本語なので、文字化けしまくっていたが、航空会社からのEチケットは英語なので、時間や番号が電話で聞き取ったもので間違いないことを確認できた。
ネットを使っている最中に、隣の人に使い方を聞かれ、一応教えたが、こちらもなにぶん余裕がないので、あまり親身にはなれず……。すみません。でも結局、その人が使っていたパソコンの調子が悪かったのかも。

プラハのホテルにも、チェックインが翌日になることを伝えなくちゃいけなかったし、散々であった。長い一日になった。

ホテルのレストランでの夕食は21時までだったが、フロントでの仕事を完了したときには、すでに21時を過ぎていた。お腹はペコペコだ。
ダメもとでレストランに向かうと、ビュフェ形式で、まだテーブルについている人もいる。
かなり疲れた感じのウエイターさんに聞いてみたら、好きに食べてと言われた。よかったー!
格別おいしいわけじゃないが、この状況で食べられるなんて感謝、感謝。ありがたく飲み食いする。

やっと部屋に戻ってドアを開けると、電話が鳴っていて、出る前に切れた。
ウガンダの人がかけてくれたのかも、と思い至ったときにはもう遅い時間だったし、あちらも翌朝の便に乗ると言っていたし、向こうがかけてきたという確信も持てなかったので、結局連絡せず。仕方がなかったとはいえ、ちょっと悪かったかなー。

バスタブが付いていたので、風呂につかって疲れを多少なりとも癒す。
手と体と髪の毛すべてOKという液体せっけんしかなく、シャンプーとリンスは持参していたのだが、それをかばんから出す気力がなかったので、そのせっけんを使ってしまったら、案の定髪の毛が洗えているような洗えていないような変な感じ。

たぶん相当時差ぼけ状態のまま、翌朝5時に時計のアラームをセットし、モーニングコールも設定し、ベッドにもぐり込む。
翌朝起きられなかったら大変と心配で、あまり眠れなかった。

↓ 急遽、乗り継ぎの地で宿泊することになったホテルの室内。
# by cathy_kate | 2012-01-03 00:19 | 第八幕 旅 | Comments(0)
『絵解き中世のヨーロッパ(La société médiévale)』 フランソワ・イシェ(François Icher)著

絵解き中世のヨーロッパ

フランソワ イシェ / 原書房


蔵持不三也 訳

2003年に出版され、出版時に書店で見て買いたかったけど高価であきらめた。しかし、その直後に古本屋でほぼ新品状態でしかも半額で売られていたのを発見、良心がいたみましたが買っちゃいました。
それを今ごろ初めて読みました……。

中世の主に写本画から、中世ヨーロッパの社会や人々の生活を紹介する。カラーの絵が満載のなかなか贅沢な本です。ちょっとデッサンが狂ったような子供の落書きのように見えなくもない中世の絵が私は好きなので、そういう人にはうれしい本♪
# by cathy_kate | 2012-01-02 20:45 | 第一幕 本 | Comments(0)
『ミス・ポター/Miss Potter』 クリス・ヌーナン監督

ミス・ポター [DVD]

角川映画


2006年アメリカ
主演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン

1902年、ビクトリア朝のイギリス・ロンドン。裕福な両親の屋敷で暮らす32歳で独身のビアトリクス・ポターは、色彩豊かに水彩で描いた動物たちの絵と物語を出版社に持ち込んでいた。

ウォーン社で出版が決まり、担当編集者ノーマンと自宅で面会する。ビアトリクスの作品に魅了され、やる気と才覚にあふれたノーマンと意気投合したビアトリクスは、彼と共に印刷所を訪れ、一緒に作品を世に送り出す。

順調に本が売れ、次々と新しい絵本を出版するビアトリクスとノーマンは、お互い独身主義のはずが恋に落ちる。しかしノーマンを「商売人」とさげすむビアトリクスの両親は結婚に反対し、夏の間の3カ月間離れ離れに過ごして、それでも愛が変わらなかったら結婚を許すと言うが……。

ピーターラビットの作者であり、現在イギリスのナショナル・トラストが管理・保存する土地を買い取って農地として保護したビアトリクス・ポターの、恋と、自然や動物への愛、作品作りへの情熱などを描く。

恋物語に感動し泣けるのはもちろん、当時の社会を垣間見、湖水地方の風景を堪能し、ビアトリクスの生き方の先進性と才能、空想力と実行力、そしてチャーミングな魅力を味わえる映画です。紙の表面から動き出す動物たちの絵もかわいい!手描きの水彩画の風情はそのままに、精巧なアニメーションになっていて驚きました。

ぽわん、と温かい気持ちになれるすてきな映画だと思います。
また、ビアトリクス・ポターの愛と強さに感じ入ってしまいました。
# by cathy_kate | 2012-01-02 19:40 | 第五幕 映画 | Comments(0)
'Golem Walks through Prague' by Ina Rott

チェコの首都プラハで購入した小説です。
チェコ語から英語に訳されたものなのかな(訳:Drahomíra and Laurence Bainbridge)。
2004年刊行。

Golemとは、「ゴーレム」のこと。
ガイドブックによると、ゴーレムというのは、16世紀末に、高徳のラビ(司祭)であるレウが土塊から作った人造人間のこと。プラハのユダヤ人地区の平和を保ち、そこに住むユダヤ人たちを守るために作られた。
この小説はその伝説を題材にしているようです。

句読点や表記がちょっと変わっている(?)ところがあるけど、読みやすい英文に翻訳されている上、思いのほかおもしろくてすいすい読めました。

主人公のラビは、寝ている間に精神が形を取ってほかの場所に現れたり、空間を瞬間移動したり、巨大化したり、意思を飛ばしてゴーレムの居場所を突き止めたりできる。ほとんど魔法使いじゃあ~。

著者は女性で、女性ならではの視点が盛り込まれている点が非常に興味深い。主人公Rabbi Löwの女性の見方も、女性作家ならではの描き方という気がする。わざとらしくフェミニズムっぽくはないのがよいです。

セール価格で売っていて、300円もしないお値段でした。しかもハードカバーで、カラーイラストが数ページ分ある。とてもお買い得だった!
# by cathy_kate | 2012-01-01 00:40 | 第一幕 本 | Comments(0)
『ニュー・シネマ パラダイス』 ジュゼッペ・トルナトーレ監督

ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 [DVD]

PI,ASM


1989年イタリア

「完全オリジナル版」として、3時間近くあるものを見ました。
名作として有名なので、一度は……と思ったのですが、やはり名作でしたね~。
映画と愛へのオマージュというか。
笑ってじーんとして、映画の王道みたいなすてきな映画です。

戦後間もないシチリアの小さな村を舞台に、現在は有名な映画監督となった男性の少年時代と青年時代、そして彼にとって重要な知らせがもたらされた後の現在が描かれます。

監督・脚本の人が、製作当時33歳だったというのは驚きだ。
温かい愛の詰まった作品で、う~ん、もうほかに言うことはありません!
映画好きの人や、家族や運命の相手や好きなこと、やりたいことを大切にする人なら誰しも、長く長く慈しみたくなる映画ではないでしょうか。

日本でこの完全オリジナル版が劇場で上映されたときの公式サイトはこちら
# by cathy_kate | 2011-12-31 23:36 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『17歳の肖像/An Education』 ロネ・シェルフィグ監督

17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


2008年イギリス
キャリー・マリガン主演(『わたしを離さないで』主演の女優)

1961年ごろのロンドン郊外に両親と暮らすジェニーは16歳。女子高に通い、オックスフォード大学進学を目指す。成績優秀だがラテン語は苦手。大学進学に有利になるように、楽団でチェロを演奏する。目的の定まった退屈な毎日。気晴らしはあこがれのフランスの歌を聞いて歌うこと。

ある雨の日、ジェニーは高級車に乗った年上の男性に声をかけられ、家まで送ってもらう。その後偶然近所で再会し、彼の友人たちと一緒に音楽会と食事に行くことに。最初は反対する父親も、彼のユーモアあふれる巧みな説得で、たちまち快諾してしまう。

彼の「商売」があまりよろしくないことを含むと知っても、芸術やおしゃれなど華やかで新しい世界に魅惑され、17歳の誕生日まではバージンでいると決めていたジェニーは、誕生日の直後、彼と二人でパリへと旅立ち、ベッドを共にする。

彼からプロポーズされ、両親にどう思うか聞いてみたら、父親が、結婚は永久就職だから、金持ちらしい彼が相手ならオックスフォードに行かなくてもいいと言う。ジェニーは婚約し、学校をやめたが、その直後に彼の最大の秘密を知ってしまう。

結婚の夢が消え、一度は反抗した学校の教師に助けを求めて、ジェニーは勉強を再開し、オックスフォード大学に進学を果たす。おしゃれな英文学専攻の女子大生としてまじめに研究し、同じ大学の男の子と付き合い、パリ旅行に誘われたときは、まるで一度も行ったことがないかのように、「ぜひ行きたいわ」と答えるのでした――。

BBCが制作にかかわっているようだが、教訓映画なのか皮肉映画なのか、どちらとも取れるかなー。
実話に基づいているらしく、当時のイギリス社会(ロウアーミドルクラスあたりか?)の雰囲気をきっと上手に伝えているのだろう。脚本や演出、セットや衣装、また主役のキャリー・マリガンをはじめとする俳優陣の演技がすべて良質でバランスの取れた映画。

戦後15年ほどたった当時、日本は高度成長期だった(始まったころ?)と思うが、イギリスはこういう質素な感じだったのかな。ユダヤ人差別や黒人差別がかなり健在であり(まあ今もですが)、「大陸」(フランスとかのヨーロッパ)へのコンプレックスが存在し(今はどう?)、有名大学に行けば「立派な」人生が開けると信じようとしていた時代(まあ今もそうか)。それをジェニーのかなりラテンな顔つきの実は結構ユーモラスな父親が体現している。

話される英語は、あまりにもインテリ過ぎるわけでもないし、労働者階級のアクセントばりばりでもなく、ちょうど聞きやすいイギリス英語。また、制服とか、大きいけど洗練されていないジェニーの家とかのアイテムが出てきて、日本人が考えるある種のイギリスっぽさ(?)を味わいたい人には向いている映画かも。

日本語タイトルや予告編はいまいちつまらなそうなんだけど、原題の'An Education'が二重か三重の意味を表しているわけですね。

映画の公式サイトはこちら
# by cathy_kate | 2011-12-31 12:28 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『カラヴァッジオ/Caravaggio』 デレク・ジャーマン(Derek Jarman)監督

カラヴァッジオ 【HDマスター】 DVD

IVC,Ltd.(VC)(D)


1986年イギリス(?)
ナイジェル・テリー、ティルダ・スウィントンなど主演

これは傑作です!
私は美術が好きなわりに、画家などを取り上げた映画をあまり見たことがないが、これは間違いなく素晴らしいアート映画。

カラヴァッジオは16~17世紀のイタリアの画家。素晴らしい絵を描いたが、当時としてはなかなかセンセーショナルな絵だったので、才能が認められているにもかかわらず、描き直しを求められたり、注文された作品の受け取りを注文主に拒否されたりもした。私生活では暴力沙汰を起こすことが多く、あげくに人を殺してもいる。
絵も人生も劇的な画家で、あまりにすごい作品があるので、以前からかなり気になってはいたのだが、これまで評伝などを読む機会がなかった。

この映画は史実に基づいているというわけではないらしいのだが、彼の絵のエッセンスを表しているような作品になっていると思った。カラヴァッジオというタイトルに恥じない映画。

カラヴァッジオ役の俳優も、カラヴァッジオの少年時代の俳優も、娼婦とされるレナという女性を演じた女優(私が大好きなイギリス映画『オルランド』の主演ティルダ・スウィントン)も、みな美しい。

子供のころ引き取った助手の青年に見守られながら死の床にあるカラヴァッジオと、そこにいたるまでのカラヴァッジオの過去の場面とが交互に描かれていく。

どの場面も秀逸であり、画家自身の語りもよいし、名画のためにポーズを取るモデルたちの映像もため息が出るほどうまい。数百年前を思わせるセットなのに、いきなりタイプライターが出てきたりする。そんな異物も取り込んで、独自の美しくかつ力強い世界を構築している。監督、素晴らしい!!

ストーリーは――
少年カラヴァッジオは画家のもとで絵を学び、早熟な才能によって枢機卿の庇護を得る。ナイフを持ち歩き、神を信じない画家はパトロンのもとで制作を続ける一方、口のきけない幼い少年を引き取って、助手兼(たぶん)愛人として育てる。酒屋で、あるたくましい男に一目ぼれをし、彼をモデルに絵を描く。また、彼の愛人の女とも親しくなる。

ついに教皇からも声がかかったカラヴァッジオは、パーティーに恋人の男とその愛人を連れて行く。そこで愛人の女は教皇の甥と関係を持つ。玉の輿を狙った女は、妊娠したことをカラヴァッジオたちに告げる。その直後、女は川で死体となって発見された。犯人として彼女に捨てられそうになっていた男が捕らえられる。カラヴァッジオは教皇の甥が真犯人だと思い、教皇に直談判する。注文する絵を見事に描き切ったら釈放してやるという教皇との取り引きに応じたカラヴァッジオは成功し、男は自由の身に。だが、女を殺したのは実は自分で、それはカラヴァッジオとの関係のためだったという男の言葉を聞いたカラヴァッジオは、ナイフで男ののどを一気に切り裂いたのだった。

この映画、日本で有名なのかしら? 今まで知らなかったのがもったいなかったわ。あー、見てよかった。
# by cathy_kate | 2011-12-30 22:14 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『アルジャーノンに花束を』 ラルフ・ネルソン監督

アルジャーノンに花束を リバースエディション [DVD]

角川映画


1968年アメリカ
クリフ・ロバートソン主演

ダニエル・キイスの同名の傑作小説が原作。
チャーリィが青年というより中年だったり、彼の先生のアリスに婚約者がいたり、彼の「実験」の担当教授の一人が女性だったりするところなどが、たぶん原作とは違う。
原作で大きな役割を果たすチャーリィの家族や、チャーリィと同じアパートに住む女性画家のことはほとんど登場しない。

知的障害者から「天才」へと変貌を遂げる過程の葛藤、逆に元の知能へと戻っていく過程の悲しさなどを、時間の限られた映像作品でどう表現するか?がポイントになると思うが、まあ、当時の映画表現として、頑張ったほう、なのかな。
# by cathy_kate | 2011-12-30 19:08 | 第五幕 映画 | Comments(0)
『無言歌(むごんか)/夾辺溝/The Ditch』 ワン・ビン(王兵)監督
2010年香港・フランス・ベルギー合作

出演:ルウ・イエ、リェン・レンジュン、シュー・ツェンツー、ヤン・ハオユー、チョン・ジェンウー、ジン・ニェンソン、リー・シャンニェン

公開初日に映画を見に行くと、見終わって映画館を出たところで、「ぴあ」の調査員にアンケートをお願いされることがある。
今回は初日に行かなかったのでそういうことはありませんでしたが、もし聞かれていたら満足度は100パーセントと答えたでしょう。

監督は、9時間におよぶドキュメンタリー『鉄西区』がデビュー作だった人で、この作品が初の劇映画。本作が初の日本一般公開作品だが、中国での上映は許可されていない。
『鉄西区』をすべて見たことがあったので、初の劇作品とあっては絶対見なければーと思って行きました。
ちなみに、さすがに上映時間が9時間ということはなくて、109分です。

毛沢東の時代の1960年ごろの中国で起こった「反右派闘争」を描く。
「反右派闘争」というのは、毛沢東が共産党批判を歓迎すると言ったから批判をした知識人が、翌年その宣言を引っくり返した毛沢東の命令によって捕らえられ、次々と死者を出した過酷な重労働をさせられたことを指すらしい。
生存者たちの証言も元に作られたというこの映画によると、やはり「はめられて」そんな目にあうことになってしまったということなのだろう。

極寒の冬のゴビ砂漠で、地面に掘った穴で寝起きし、ほとんど水のような薄い粥のみを与えられて、「農作業」とされる「開墾」に従事させられる男たち。病人があふれ、死者が続出。飢えで草の実もネズミも食べるし、布団にくるまれて浅い穴に埋められるだけの死者を掘り返し、服を剥ぎ取って食料と交換したり、死者の肉を食べたりする者までいる。

飢饉であまりに多くのものが死ぬので、当局も彼らの扱いに苦慮しているらしく、作業をしばらくさせない決定をする。
上海から、元医者の夫を尋ねて女性がやって来るが、その夫と親しくしていた李という青年は、彼女に夫の死を告げなくてはならなかった。遺体と対面させてくれと懇願する彼女に、墓碑もない墓の場所はわからないと言う李。しかし実は、場所を知っていても、連れて行きたくない理由があった。

元医者の妻は真実と直面して上海に帰る。
李は師匠の老人と共に逃亡することにしたが、老人は途中で倒れてしまう。背負っていこうとするが、それだけの体力がなく、駅までの道のりは遠い。側にいようとする李に、老人は自分を置いて行けと言う。自分のコートを師匠の体にかけ、李は泣く泣く先を行く……。

死者が増える一方なので、当局は一旦彼らを家に帰すことに決めた。しかし、それは一時的なことで、飢饉の問題がなくなれば、また彼らは「右派」としてどんな扱いを受けるか知れたものではない、という事情らしい。
ある男は、現場を監督する人物から、自分の部下としてその場に残らないかと声をかけられる。男たちが去った後の壕で、声をかけられた男は一人横たわり、汚れた毛布をかぶって眠りにつく――。

ドキュメンタリーに近いカメラワークが使われていた(と思う)。人物の後について手持ちカメラで移動しながら映しているように見える映像が多く出てきた。カメラは自らの存在を消そうとはしておらず、それでいて観客を映像の中へと引き込む。

映画館に掲示してあった新聞や雑誌の評に、「ほとんど希望がない」というような表現があったが(でも結論は逆、というような記事だったのかもしれないが)、私は希望があると思った。

実際に遺体をあばく者が誰なのかは映し出さず、最後まで夫を慕う妻や、労働させられている人たちの面倒を献身的にみる所長(?)、過酷な状況の中で同郷の者の死に涙したり、助け合ったり、忠義を忘れなかったりする男たちを印象強く描いていることから、監督も人間の善を描きたかったのだと思えた。
もちろん、人間の醜さや愚かさも大いに描いているが、あまり露骨で大げさな表現はせず、淡々とした「日常」として描いているよう。そこがまた非常に恐ろしいところなのだが。

こんな悲惨な状況を描いた映画ではあるが、李青年の好感度は高い。
上海から来た妻の夫への愛はほとんど壮絶である。夫の遺体が見たいからと、砂漠で何十だか何百だかの遺体の埋まった山を一日中掘り返して歩くとは……。しかし、今年の3月に日本であった大災害のことを思うと、この妻の行為が特殊とは思えなくなった。半世紀前の中国と現在の日本が、まったく思いもかけずに重なってしまった。

映画館に掲示されていた監督の言葉「あの時代を経て、中国で人は思ったことを言わないようになった。それは今でも続いている」が重い。歴史を見るときいつも思うが、言論の自由は絶対に守らなければならない。言論の自由が制限されていっているように見える今の日本が心配だ。中国と比べたらまだまだ自由、なんて安心している場合ではないと思うことがよくある。

ドキュメンタリーを撮ってきた監督だからか、音楽はほぼ用いられていない。効果音として後から入れたのか自然の音なのかはわからないが、砂漠に吹きすさぶ風の音が耳に残る。エンディングのクレジットでは、「反右派闘争」と似た状況の、中国の昔の人についての歌が音楽なしで老人によって歌われる。

冒頭に満足度100パーセントと書いたが、もっと高くてもいいくらいだ。こんなすごい映画はそうそう撮れるものではない。日本で公開中に、できるだけ多くの人に見てほしいです。

映画の日本での公式サイトはこちら
# by cathy_kate | 2011-12-30 00:38 | 第五幕 映画 | Comments(0)
'Gold Boy, Emerald Girl' by Yiyun Li

Gold Boy, Emerald Girl: Stories

Yiyun Li / Random House Trade Paperbacks


中国出身アメリカ在住の女性作家の第3作。
第1作は、表題作が映画化もされた短編集 'A Thousand Years of Good Prayers'
第2作は初の小説 'The Vagrants' でした。
第3作となる本作は、9作品を収める短編集です。

最初の短編集と比べて、登場人物たちの年齢が高くなり、多くが中国を舞台とし、トーンが暗めの印象。
文体は簡潔だが、実は結構ドロドロした感情や事情が渦巻いていることに驚かされる。

よく考えると衝撃的な設定もよく出てくる。でも、登場人物たちは意外とその状況を運命として受け入れているようにも思える。

例えば、表題作では、30代後半の女性が、大学時代の先生である女性の紹介で、彼女の20年以上アメリカに住んでいた40代の息子と見合いをする。40代の息子が結婚しなかったのはゲイであるためだが、彼は、見合い相手が美人なのになぜ今まで結婚しなかったのかと不思議に思う。彼女は見合い相手と結婚する気があるようだが、一緒にいたい相手は、実は男である息子よりも、女であるその母親の方だった。いびつな3人が家族となり、一緒に生活していくと予感させるラストとなっている。(←間違っていたらすみません)

巻末に、A Reader's Guideとして、A Conversation Between Brigid Hughes and Yiyun Liという対談(対談相手については、巻頭にFor Brigid Hughesと著者が記している)と、Questions and Topics for Discussionという読書のヒントとなる質問集が付いている。
# by cathy_kate | 2011-12-18 23:17 | 第一幕 本 | Comments(0)
「ミン・ウォン:ライフ・オブ・イミテーション」展(原美術館)
だいぶ前に行った展覧会について、アップし忘れていました。以下、どうぞ!

久しぶりに、品川駅から徒歩15分の住宅街の中にある原美術館に行きました。


1950~60年代がシンガポール映画(特にマレー映画)の黄金期とされているらしく、そこからこれまでの、そしてこれからのシンガポールをあらためて見つめ直す展覧会が開催されています。シンガポール美術館との共同開催で、「世界各地を巡回している国際展」らしい。

ミン・ウォンは、キューレーターのタン・フー・クエンの企画により、第53回ヴェネチア・ビエンナーレ(2009年)のシンガポール館で、「ライフ・オブ・イミテーション」の展示を行い、審査員特別表彰を受賞。その展示を元にしたのが、今回の原美術館の企画展。

ミン・ウォンが、「マレー映画の父」P. ラムリーの50~70年代の4作品と、ハリウッドのダグラス・サークの『イミテーション・オブ・ライフ(悲しみは空の彼方に)』(1959年)、香港のウォン・カーウァイの『イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ(花様年華)』(2000年)を題材に、パロディ化したような作品や、「シンガポール最後の看板絵師」ネオ・チョン・テクと制作した看板絵、また、シンガポールとマレーシアで撮影したインスタント写真を出品している。

映画資料(特にシンガポールの映画館とそこで上映された映画の資料、写真やチケット、ポスターなど)のコレクターである(切手のコレクターでもある)ウォン・ハン・ミンのコレクションも展示されている。
閉館してしまった映画館の写真や、そこで上映された作品の資料、関連する記事などにより、シンガポールの映画上映史をたどることができる。各時代について英語の説明が貼ってあったが、その日本語訳がなかったように思う。せっかくいい情報が詰まっているのに、どうして?(私が気づかなかっただけで、どこかに別紙とかで日本語訳を閲覧できたのだろうか?)

そのコレクターのウォン・ハン・ミンと、看板絵師のネオ・チョン・テクの各4~5分のドキュメンタリー映像と、また、シンガポールの映画館のチケット販売員であるスター女優になることを夢見る若い女性のドキュメンタリー映像を出品しているのは、シャーマン・オン。

主な作品構成は以上だと思います。

「多民族」「多言語」「多文化」国家シンガポール(主に中国系、マレー系、インド系がいて、共通語は英語)のありさまが垣間見える展示になっているのではないでしょうか。でも、ミン・ウォンのビデオ作品は、きちんと見てよく考察してみないとよくわからないかも。ちょっとパロディっぽく作ってあるのに、特に「ライフ・オブ・イミテーション」には素直に感動もしてしまいそうになるのが不思議だった。

ドキュメンタリー映像作品はどれも短くて見やすく、記録資料としても貴重だろうし、しかもおもしろい。
映画館資料のコレクションも非常に興味深かった。閉館する映画館の写真を撮り、関連資料を集め、しかも分類・整理して、見やすくわかりやすいよう体裁を整えて……と、並大抵の努力ではできないこと。根気もすごい。「オタク」なのだろうけど、やはり本物の(?)オタクは偉大ですね。

映画資料コレクターのウォン・ハン・ミン氏のトークイベントがあったので参加しました。現在日本で切手のコレクションを展示している(?)ので、ちょうど来日中だったため、このイベントが実現したらしい。

俳優の片桐はいりさんが聞きに来ていました~。片桐さんはこういうお芝居に出演なさったことがあるので、その関連での参加だったのかなあ? 
また、通訳の方は、2009年にシネマート六本木で開催された「シンガポール映画祭」のたぶん実行委員の方だった(この映画祭についてここここで書きました)。さらに、その映画祭でトークを行ったアジア映画研究家の松岡環さんも聞きに来ていました。そして、その映画祭の観客として見かけた人と同じ人を目撃した気もする……(私もそうだけど)。
狭い世界だなー、日本での「シンガポール映画」。観光ではたくさんの人が日本から行っていると思うんだけどねえ。

トークのタイトルは「カチャンプテからポップコーンまで:シンガポールの初期映画館(1896~1945年)」。スライドを使っての発表で、シンガポールで講演したときのもののごく一部だという。
「カチャンプテ」は映画鑑賞のときによく食べられていた豆のお菓子らしい。今は「ポップコーン」かもしれないけど、かつては映画館の前でインド系の人が屋台を構えて売る姿がよく見られたらしい。シンガポール風かき氷「アイスカチャン」を思い出したけど、インターネットで調べたところ、「カチャン」は「豆」の意味らしい。アイスカチャンにお豆たくさん乗っているものね。

シンガポールの古い映画館の写真のポストカードを来場者にプレゼントしてくれた。
さらに、ウォン・ハン・ミンさんの切手コレクター仲間のシンガポールの人が2人来ていて、ウォン・ハン・ミンさんの切手コレクションが評価されて2009年に発行されたという古い映画館の記念切手(?)も急遽いただけることに! その切手シートには、ウォン・ハン・ミンさんのサインをもらいました。





なんだか、東京にいながらにして、シンガポールに行ったような体験ができた一日でした。
# by cathy_kate | 2011-12-18 17:42 | 第二幕 美術 | Comments(0)
「世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術一千年の都」/「トゥールーズ=ロートレック展」
「ヴェネツィア展」は江戸東京博物館、「トゥールーズ=ロートレック展」は三菱一号館美術館で鑑賞。あれからもう結構時がたってしまったわ。

「ヴェネツィア展」は、わりと多角的にヴェネツィアの美術を紹介していた。かの地へは行ったことがないので、行きたくなる。3月の大震災の後でも、開催中止や延期は行わなかったということで、大丈夫なのかなあと心配しつつ、イタリアの好感度がアップした?!


「トゥールーズ=ロートレック展」は、美術館が所蔵する版画が中心。やはりロートレックは空間構成がうまい!! 才能だねえ。彼の人生そのものにも引かれるのよね~。


国際フォーラムの前で片岡鶴太郎を目撃。全然うれしくないが。人と話して、フォーラムの中に入っていった。
# by cathy_kate | 2011-12-18 17:23 | 第二幕 美術 | Comments(0)
『ブリューゲルの動く絵(The Mill & the Cross)』 レフ・マイェフスキ監督
2011年ポーランド・スウェーデン。
今年の東京国際映画祭で上映された作品。

16世紀フランドルの画家ピーテル・ブリューゲルの絵画「十字架を担うキリスト」の世界を、実写と背景画との合成で再現した映画。
絵の中に自分を登場させているとされるブリューゲルが、絵の中の登場人物たちの中に交ざりながら、描き手として彼らを眺め、配置するという設定になっている。

前評判どおり、絵画の世界を見事に表現している。
景色や衣装だけでなく、生身の人間らしい俗っぽさや生活感と、聖なる悲しみや荘厳な美しさが結び付けられているところが、まさにブリューゲルの作品世界と同じ、と言ってもいいだろう。

内容は多分に宗教的である。宗教画を取り上げているのだから当たり前といえば当たり前かもしれないが、ここまで濃密とは予測していなかった。
もちろん、ブリューゲルの絵が、宗教的主題を民衆の生活と融合させ、現代(当時)の物語として描き出しているように、この映画もおそらくそれを目指しているので、時に貧しく時に卑猥で、でもたくましい民衆の生活も存分に描かれる。

ちょっと間違っているかもしれませんが、イエス・キリストがユダヤの王に異教徒として処刑されたのと、16世紀フランドルで、カトリックであるスペインの侵略者に、たぶんプロテスタントが異教徒として処刑されていたことが重ね合わされているようだ。
スペインの兵士のやり方はかなり残酷で、目をそらしたくなるほどはっきり映してはいないが、デリケートな人は多少気分が悪くなるかもしれません。

ここまで凝って再現したのなら、もっと何かできたんじゃないの?と思ってしまうような物足りなさを抱えてしまうラストでした。
わりとあっさり終わるんです。でもそれがこの監督の思惑なのかな。

「十字架を担うキリスト」は、ウィーン美術史美術館に展示されている。
たぶん私、本物を見たことがあります。
ピーテル・ブリューゲルの絵は、一つ一つディティールを見ているうちに引き込まれそうになるので、監督がその絵の世界を映像で作りたいと思った気持ちはわかるなあ。
# by cathy_kate | 2011-12-18 16:48 | 第五幕 映画 | Comments(0)
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