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本、展覧会、映画、ダンス・演劇のパフォーマンスなど。文学、美術などの芸術、ヨーロッパ、英語に加え、フランス語や中国語、およびその文化にも興味がある。
by cathy_kate


'The Buried Giant' by Kazuo Ishiguro

なかなか読み進められないでいたが、「カズオ・イシグロ、ノーベル文学賞受賞」
の報を聞いて思い出し、やっと読み終えました。

どうしてくれよう、この小説?!

ブリテン人とサクソン人が生きていた時代のブリテン島で、仲睦まじく暮らす
夫婦が、島に蔓延する記憶喪失に悩まされている。
ドラゴンの息のせいで、皆の記憶がかすんでいるのだ。

それでも、失われた息子を求めて、ブリテン人である夫婦は旅に出る。
妻の病を治せるかもしれない賢者に会うのも目的の一つだ。

サクソン人の戦士や、戦士となるべき少年や、アーサー王の年老いた騎士の一人
に出会った夫婦は、ドラゴンの元へと導かれていく。

ドラゴンの息が隠していた記憶とは何だったのか?
忘れられていた夫婦の秘密とは?
すべての記憶が戻るとき、ブリテン人とサクソン人に何が起こるのか?
そして、夫婦の息子の行方は? 夫婦の運命は?

という物語だと思うのですが、エンディング(ラスト)の曖昧さときたら・・・。
明確な小説なんて小説ではない、とは思うのですが、ここまでオープン
(さまざまな解釈が可能)なエンディングだと、読み終わった後、一瞬、
怒りがわいてきましたよ(笑)
長期間読んできただけにね(それは私の問題だが)

日本語訳も併せて読み込めば、もう少し考えるヒントが得られるのかも。
(でも、少なくとも当面は邦訳を読まないと思うけど)
by cathy_kate | 2017-11-19 13:01 | 第一幕 本
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