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本、展覧会、映画、ダンス・演劇のパフォーマンスなど。文学、美術などの芸術、ヨーロッパ、英語に加え、フランス語や中国語、およびその文化にも興味がある。
by cathy_kate


「生誕130年記念 藤田嗣治展―東と西を結ぶ絵画―」 府中市美術館

年代ごとに、すべての作風とは言いませんが、多様な画業を、約110点の作品で
紹介する、大規模と言っていい個展だと思います。

デッサンが大半ということは全然なく、大作も含む油彩画や水彩画で構成されて
いるのもうれしい。
「生誕130年記念 藤田嗣治展―東と西を結ぶ絵画―」 府中市美術館_d0133183_16414628.jpg

最初にパリに行ったときの作品や、晩年フランスに戻ったときの作品は、
やっぱりいいですねえ。両者の違いも、それぞれよい。
風景画の小品も好き。
「生誕130年記念 藤田嗣治展―東と西を結ぶ絵画―」 府中市美術館_d0133183_1642918.jpg

戦時中に日本で描いた戦争画は、以前も東京国立近代美術館で
見たことがありました。
気分が悪くなり、口を押さえたくなる代物です、私にとっては。
それほど力のある絵とも言えるのでしょう。

フランスにいる間も帰国後も、日本人から浴びせられた誹謗中傷。
戦争画は、「よき日本人」として認めてもらう手段でもあったのなら、
純粋に悲しくなります。

戦後、敗戦だったために、今度は、実際は戦犯ではないのに戦犯っぽく扱われ、
もう日本には愛想を尽かして、二度と戻らず、日本国籍を放棄して、
フランス人「レオナール・フジタ」になっても、不思議はない。

ただ、最初から喜び勇んでそうしたわけではないと思うので、時代ということが
あったにしても、でも、日本人は今でも、海外で活躍している人に対して、
不当に冷たかったり、逆に、過剰に高く評価したりすること、あるかもしれません。

今では藤田嗣治の絵画は日本でも人気ですから、まあ、いいことなのか?

ミュージアムグッズもすてきで、欲しくなってしまう。

展覧会の公式サイトはこちら
「生誕130年記念 藤田嗣治展―東と西を結ぶ絵画―」 府中市美術館_d0133183_1642297.jpg

辺鄙な場所にある美術館です・・・。大きな公園の中にあります。

うっそうと木の生い茂った公園の規模といい、
自転車や車がないとかなり不便そうな街の様子といい、府中って、
欧米みたいなところですね(笑)
なんだか旅行気分を味わえました。道にも迷ったし(!)
by cathy_kate | 2016-10-02 16:45 | 第二幕 美術
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